渡邉 淳子

ごあいさつ

渡邉 淳子

車で走っていると、以前往診していた患者さんの家の前を通ることがあります。懐かしい思いがよみがえります。寒い日には、「風邪をひかないようにね。」と、暑い日には、「気を付けて、冷たいものでも飲んで。」と接してくださいました。いつも、往診の度に元気づけられているのは私の方と、思い出すたびに感謝の気持ちで一杯です。

在宅医療に出会い、家で過ごすこと、日々の何気ない生活の大切さ、有難さに気付くことができました。日常を取り戻し、その方らしく生ききることができるように、寄り添っていきたいと思っています。これからも、学ぶことばかりです。患者さん、ご家族と一緒に歩んでいきたいと思っています。よろしくお願い申し上げます。

経歴

出身大学 山梨医科大学(現山梨大学医学部)
専門分野 内科 消化器内科 緩和医療
職歴等 山梨県立中央病院
社会保健鰍沢病院
医療法人社団淳友会理事長兼統括院長・わたクリニック院長
資格 日本在宅医学会認定専門医
日本緩和医療学会 緩和医療専門医
その他の活動 葛飾在宅ホスピス代表幹事
多施設緩和ケア研究会幹事
東東京緩和ケアネットワーク世話人

在宅は人生を生ききる場であり、命をつないでいく場

住み慣れた我が家でできるだけ過ごしたい、そんな患者さんの思いに応えたいと在宅療養⽀援診療所わたクリニックを、2002年8⽉に葛飾区、2012年には江⼾川区、2021年には墨⽥区に開院しました。

訪問診療開始してみると「やっぱり家はいいな。夜眠れるようになった。」「家にいると、家族の声が聞こえてくる。頑張ろうと思う。」と家で過ごす良さを患者さんは語り始めます。台所のまな板の⾳、洗濯機の⾳、⽇常の何気ない⽣活の⾳までが患者さんを癒してくれていることに気付かされます。また病気になってはじめてわかったことも教えてくださいます。私たちがあたりまえと思っている⽇常を過ごせることがどんなに有り難いことなのか、当たりまえの⽇常がない病院という場所で過ごして実感されたこともお話ししてくださいます。たくさんの⼈⽣の先輩⽅にお会いして、いつも学ぶことばかりでした。「先⽣が来ると元気が出るよ。」と⾔ってくださる患者さん、元気をいただいているのは私の⽅ですと⼼の中はいつも感謝の気持ちでいっぱいです。

あっという間の19年間でした。在宅で過ごす良さを教えてくださった患者さんが、24時間安⼼して、つらくないようにお過ごしできるように、緊急携帯電話を枕元に置いて寝る⽇々です。在宅医療365⽇24時間は、⼀⼈の医師だけでは継続することができません。同じ志で⽀えてくれている医師、看護師のスタッフに恵まれていることも有り難いことです。

これからも住み慣れた家で過ごしたいという患者さんに、24時間安⼼できる医療を提供できるように頑張っていきたいと思います。

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